カテゴリNo.1ブランドをさらに成長させるには。ミツカンとBloom&Co.が挑む、新たな価値創造

第二回 ミツカンの独自価値で、速く確実にマーケティング成果を上げる


1804年創業と、長い歴史を誇る株式会社Mizkan(ミツカン)は、「ポン酢」や「食酢」「鍋つゆ」などのカテゴリNo.1ブランドを多数擁する日本有数の食品メーカーだ。そのミツカンが、さらなる進化を遂げようと、マーケティングケイパビリティの強化に乗り出している。そしてパートナーに選んだのがBloom&Co.だった。

2023年3月より、ミツカンの執行役員 日本+アジア事業 マーケティング本部長に就任し、マーケティング変革を牽引する槇亮次氏は、かつてネスレ日本において長年マーケティング分野で活躍。Bloom&Co.とのタッグはその頃からだ。

槇氏と、旧知の仲のBloom&Co.彌野、Bloom&Co.でミツカンのご支援を行っている内保、坂井の4人が、マーケティングのさらなる強化で現れた、ミツカン組織の変化と成長について語った第一回に続き、第二回では、Bloom&Co.がマーケティングにおいて最も重視する、UAV(独自価値)について意見を交わした。

第一回はこちら

常に自分ごとで考えるから、持続的な売上成長の支援ができる

彌野:当社の強みは、全員が事業会社のマーケティングの経験者であったこと。ご支援先のプランニングをするときには「自分がそのブランドの責任者だったら何をするのか」「それはやるべきか」と、必ず自問自答するようにしています。

その場限りの派手な施策を実施しても、商品やブランドの持続的な成長に繋がらなければ意味がありません。偉そうに助言だけをするなんてもってのほか。事業会社で培った視点を忘れずに、予算も成果も自分事にして考えます。

満足してほしいのは商品を購入されるお客様です。槇さんが満足すれば、お仕事としての契約は続くかもしれないですが、それは本質的な価値ではありません。

槇:Bloom&Co.のメンバーは、時には反対意見もはっきり言ってくれるので、こちらも本音でぶつかることができます。

あとは、Bloom&Co.さんと仕事をすると、マーケティングの学びが多いこともありがたいです。私はずっと食品畑にいるので、他の業種の知見や、磨き上げられた最新のマーケティング手法を一気に学べるのは刺激的です。数年分のマーケティング経験を、ショートカットして積めるような感覚でしょうか。


100社以上のマーケティング支援から見えてきたもの

彌野:チョコレートから太陽光発電まで、本当に幅広い商材をご支援して来ましたからね。

これまで支援したのは、延べ100社以上。数えきれない施策を実践し、見えてきたことがたくさんあります。さながらマーケティング研究所状態だなと思っています。多種多様な100社以上のブランドや商品・サービスをご支援していく中で、継ぎ足し継ぎ足ししたような、マーケティングの“秘伝のタレ”を使って、常に、100%結果を出せるようにご支援方法をブラッシュアップしていっています。

型化できるものは、なるべくフレームワークに落とし込み、成果が出るまでの時間を最短にしたい。培ったノウハウは、ご支援先に惜しみなく提供していこうと思っています。

内保:マーケティングの成果を上げるために、Bloom&Co.が大事にしているのは、企業が顧客に提供しているUAV(独自価値)を見つけることです。独自の価値は、ブランドや商品の持つ強みと、顧客インサイトの接点から発掘されることが肝心です。だからこそ、顧客に選ばれる理由になります。そして、その価値が確定できれば、それを届けるためのマーケティング施策が自ずと決まっていきます。


競合他社と同じようなキャンペーンをする必要も、流行りの広告手法にやみくもに飛びつく必要もありません。独自のフレームワークをもとに、約3〜4ヶ月ほどでUAVを見つけ、UAVに基づいた施策を実践まで落とし込んでいきます。UAVは自覚するだけでなく、顧客から選ばれる理由に落とし込まれているかも大事。UAVを伝えるメッセージングの開発と発信までがセットです。


彌野:UAVは企業にとってかけがえのないものなのに、ご自身が組織の中にいると意外と気づけないものなんです。ともすれば弱みと思っていたものが、自社だけの強みということもある。

どんな企業も強弱はあれどUAVを必ず持っています。それを自覚し、UAVに基づいたマーケティング・ブランディングを行うと、さらに次のステージへと進むことができます。

ミツカンさんの場合は、カテゴリNo.1ブランドを多数お持ちですので、商品の認知はすでに高い状態。ここからもう一段高めるためには、認知のアップサイドではなく、新たな顧客インサイトを発見し、新たな価値を創造していく必要があると考えています。

槇:そうですね。加えて、当社のように商品ラインナップが多い企業の場合、UAVは商品ではなくブランドに置くべきだと考えています。トレンドやシーズンで入れ替わる商品単位ではなくブランドならば、顧客に長期的に独自価値を約束できるからです。

長い歴史で培ったミツカンの価値を、将来も変わらず顧客に約束できるよう、80人のマーケティングメンバーと、Bloom&Co.の皆さんと共に取り組めたらと思っています。

全ての答えは、ミツカンのミッションにあった

槇:顧客起点の話でいうと、ミツカンには“2つの原点”という大切にしている理念があるんです。1つ目は「買う身になって まごころこめて よい品を」という、お客さまを第一に考えた品質向上の精神を表したものなのですが、これはまさに、顧客起点のマーケティングそのものです。


彌野:来年220周年を迎える企業が、長年大事にされてきたことが顧客起点というのは素晴らしいですし、我々がプロジェクトを通して語り合ってきたことともリンクしていて嬉しいですね。

槇:そうなんですよ。ミツカンが大切にしてきた顧客起点の姿勢を、改めて社内全体で意識し、同じ未来を目指すことが今必要なんだろうなと感じています。

そして2つ目の原点は、「脚下照顧に基づく現状否認の実行」。客観的に考え、成功体験に溺れず変革と挑戦をせよというものなんですけど、これもマーケティングにおいて非常に大切なことですよね。

彌野:さすがですね。長い歴史があり、いくつものカテゴリNo.1ブランドを誇るミツカンさんですから、もともと素晴らしいマーケティングメソッドをお持ちです。それでもさらに進化しようとされている、今を体現する言葉ですよね。さらに続く良い未来を作っていきたいと改めて思いました。

見据える300周年。さらによい未来をめざして


槇:先日ふと、ミツカンが300周年を迎えるときを考えて、そのときのために、今何をやるべきかを考えていました。日本はこれから人口が減少していくので、単純に考えると食品の消費量は減ります。だけど、減ったとして20兆円以上ある食品市場において、当社の売上規模は1,000億円台。さらには海外市場もある。まだまだ伸びしろがあります。

坂井:槇さんは超未来思考ですね。そこまで考えられるのもすごいし、まず300周年を視野に入れられる企業様も貴重です。これからも取り組むべきこと、挑戦したいことは尽きません。

彌野:当社も様々なプロジェクトを通して得た経験を体系化し、テクノロジーの活用もしながら、時代の変化に合わせてご支援を進化させていきたいと思います。ミツカンさんの300周年が最高なものになるよう、さらなる努力を重ねていきます。

槇:では今回の取り組みも成功間違いなしですね!引き続きよろしくお願いします。

(取材・文:井澤梓)

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