買わない理由を解消すれば、買ってもらえるという誤解|陥りがちなマーケティングの8つの誤解(第7回)
白い砂の上の何本もの細い線が、ひとつの白い器へ向かって集まっている陥りがちなマーケティングの8つの誤解 第7回

買わない理由を解消すれば、買ってもらえるという誤解

買わない人の声より、買い続けている人の行動に答えがある。

この記事の要点

買わない人に理由を聞いて一つずつ解消しても、買いたい理由は生まれません。答えは、すでに買い続けている顧客の行動の中にあります。マーケティングリサーチで本当に探すべきものとは。

「なぜ、当社の商品を買ってくれないのでしょうか?」

新規顧客を獲得しようとするとき、多くの企業はこの問いから始めます。

商品を購入していない人にアンケートやインタビューを行い、購入しない理由を調べる。そして、その理由を一つずつ解消することで、新しいお客様を獲得しようとします。

一見、合理的なアプローチに思えます。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。

そもそも、お客様は「なぜ買わないのか」という質問に対して、それほど深く考えて答えているわけではありません。

「価格が高いから」「もっと便利だったら」「こんな機能があれば」と答えたとしても、それは必ずしも実際の購入行動を予測するものではないのです。

企業がその声を真に受けて、価格を下げたり、機能を追加したりしても、結局買ってもらえないことは珍しくありません。

なぜなら、買わない理由がなくなることと、買いたい理由が生まれることは、まったく別の話だからです。

数ある選択肢の中から、なぜ自社の商品を選んだのか。なぜ競合商品ではなく、自社の商品を繰り返し購入しているのか。

そこには、実際の購買行動によって裏付けられた、確かな価値が存在します。

その価値を深く理解し、同じ価値を求める人たちに伝えていく方が、効率的に新規顧客を獲得できる可能性が高いのです。

買わない理由をなくすのではなく、買い続ける理由を見つける。

マーケティングリサーチで本当に探すべき答えは、そこにあるのです。