理想のペルソナを描けば、ターゲティングできたという誤解|陥りがちなマーケティングの8つの誤解(第8回)
同心円の的から少し離れた場所に、白い小さな球が集まっている陥りがちなマーケティングの8つの誤解 第8回

理想のペルソナを描けば、ターゲティングできたという誤解

企業の願望で描いたターゲットは、真のターゲットではない。

この記事の要点

企業が「買ってほしい人」を描いたペルソナは、実際の購入者とずれていることがあります。ターゲットは願望から描くものではなく、既存のロイヤル顧客の購買行動から発見するものです。

ウィッシュターゲティング(Wish Targeting):企業の願望によってターゲットを決め、その人物像に合わせて商品開発やプロモーションを行うこと。

マーケティング戦略を立てる際、多くの企業が最初に取り組むのが「ターゲティング」です。
そして、ターゲットとなる顧客像を具体化するために、ペルソナを描きます。

ところが、そのペルソナを見てみると、ある共通点に気づきます。

トレンドに敏感で、情報感度が高く、購買力があり、ライフスタイルにもこだわりがある。
企業にとって、いかにも魅力的な顧客像が描かれているのです。

しかし、ここで一つ質問があります。

その理想的なお客様は、本当にあなたの会社の商品を買ってくれるのでしょうか?

実際には、描かれたペルソナに該当する人たちが、自社の商品をほとんど購入していないことも少なくありません。

企業が「こんな人に買ってほしい」と願っているだけで、その人たちが自社の商品を選ぶ理由が存在しないのです。

私は、このようなターゲティングを「ウィッシュターゲティング(Wish Targeting)」と呼んでいます。

企業の願望によってターゲットを決め、その人物像に合わせて商品開発やプロモーションを行う。
しかし、どれだけ広告を工夫しても、そもそもその人たちが自社の商品に魅力を感じていなければ、購入にはつながりません。

本来、ターゲティングとは、企業が買ってほしい人を決めることではありません。

自社の商品やサービスに強い魅力を感じ、競合という選択肢があっても、自社を選び続けてくれる人たちを見つけることです。

彼らはどのような人たちなのか。どのような価値を求めているのか。なぜ競合ではなく、自社を選び続けているのか。

その共通点を見つけることで、自社の商品が本当に支持される顧客像が明らかになります。

そして、その顧客と同じ価値観やニーズを持つ人たちにアプローチすることが、効果的な新規顧客獲得につながるのです。

ターゲットは、企業の願望から描くものではなく、顧客の購買行動から発見するもの。

これこそが、本質的なターゲティングだと考えています。